後編は見どころを紹介する。数え切れないくらいの見どころがあるので、実際に登ってみてほしいが、一部を抜粋して紹介する。百聞は一見に如かずというが、写真で見たとしても、個人的にはそれは、実際の一見には及ばないと思う。体験が重要である。
前編を読んでいない方はこちらから。
見どころ
一ノ池~五ノ池
前情報で池があることはわかっていたが、実際の写真や映像は見たことはなかった。その光景を見た時には度肝を抜かれた。
特にニノ池は日本の光景なのかと思わざるを得なかった。こんな平な地形を自然界でお目にかかれるとは思っていなかった。ニノ池山荘を越えた後、目の前に広がる光景に感嘆することは必至である。
また三ノ池は水のある面積が最も広く見応えがある。本来、水は下へと流れていくものであるのに、標高3000m近くの天上の世界に留まり続けることに対して興奮を禁じ得ない。下界で見れば、もしかするとあまり見向きもされない池になったかも知れないが、山上にあることでその存在感は神の如しである。
五ノ池小屋の椅子。ガスで景色が遮られていなければ、五ノ池とその先に広がる絶景を堪能できるはずである。一日中その景色を眺めていたい。それを見るためだけに五ノ池小屋に宿泊するのも良いかもしれない。
摩利支天山
摩利支天という言葉の響きが非常によい。仏教用語はカッコイイ用語がいくつもあるが、その中でも最もカッコイイ言葉の一つだと思う。
ほぼ同名の山が甲斐駒ヶ岳にも存在する。また、乗鞍岳にもある。甲斐駒、乗鞍、御嶽の摩利支天を個人的に日本三大摩利支天と呼んでいる。乗鞍の摩利支天は未登頂なので、ぜひ行ってみたいと思う。
見ための迫力は甲斐駒ヶ岳の摩利支天の方に譲るが、切り立った岩の先にある御嶽の摩利支天山も乙なものである。また摩利支天山の下にはサイノ河原が広がりを眺めることができる。
サイノ河原
三途の川のほとりにあると言われる賽の河原。地理院地図ではサイノ河原と表記されている。賽の河原では子どもたちが功徳を得るために石を積んで塔を作るが、鬼がやってきてそれを破壊すると言われている。ゆえに「賽の河原」は無駄なことを意味する語句にもなっている。
御嶽山のサイノ河原には鬼は来ないので、石を積んでも誰のも破壊はされないでの安心して石を積むことができる。ここでは賽の河原らしく、多くの石が積まれている。むしろ積まれていて壊されていないので、その点からは賽の河原とは呼べないのかもしれないが。
避難壕
噴火以後にできた避難壕。これがあれば安心とは全くいえないが、万が一の際には使用できることを頭に入れておくと良いかもしれない。これによって救われる命があれば良い。
実際の噴火の際はどのようなことになるかは全くわからないので、火山であることは忘れないようにしたい。
2014年の噴火の爪痕はここにもあり、鐘に穴が空いていた。金属を貫通する墳石の威力に地球の活動のスケールの大きさを感じる。
また余談ではあるが、上記の写真のとおり山頂には宗教法人白光真宏会のピースポールが建てられている。あちこちで見ることがあるが、こんなところでも見ることになるとは少し驚きである。
御嶽山信仰
甲斐駒ヶ岳で見たような霊神信仰の石碑がある。それ数は甲斐駒ヶ岳よりもはるかに多い。大きい山に対する畏敬の念は、凄まじいまでの勢いがあると感じた。
また白装束をきた人々も黙々と登っていて、こちらも敬虔な気持ちを抱かざるを得なかった。
低山でも山岳信仰は存在するが、山の大きさがそのまま信仰の多さに繋がっているようにも感じた。あの神々しいまでの山の大きさの感じれば、信仰せずにはいられないと言うのはよくわかる。
山頂には木曽御嶽神社奥社がある。他にも多くの御嶽神社が存在する。多くの神社が並列して存在する日本らしさと、大きいが故の統一的な神社がないのだろうということに、この山の大きさを感じる。
また開山者は役行者である。御嶽山での山岳信仰の祖である。今の信仰の形とは違うかもしれないが、信仰心を持ち込んだのがこの人間である。
彼は他にも多くの山を開山している。山登りをしているので、日本最初のアルピニストは彼だったのではないだろうか。
蛙岩
カエル好きの僕は見逃すことはできない。無事帰る。生きて帰ること。これが重要である。
濁河温泉
通年営業の露天風呂としては日本最高峰の標高1800mに位置する秘湯のような温泉街である。
僕は下呂市市営の露天風呂があったので、こちらに入浴した。この露天風呂が1番とっつきやすいのではないかと思う。入浴料金は大人600円、小学生300円。駐車場は建物手前に十数台程度駐車できるスペースがある。詳しくは以下のリンクから確認してほしい。
公式サイトでも野趣豊かなと書いているが、あまり手を加えずに露天風呂にした感じがして、非常に良い雰囲気である。
建物は受付と小さな脱衣所のみである。風呂場もシャワーのある場所にも屋根がなく、開放感のある作りになっている。必要最低限で露天風呂を楽しめる雰囲気になっているので、ぜひ入ってみてほしい。
素朴な露天風呂で個人的に気に行ったので、御嶽山に2回目登る際にまたこちらのコースを選んでしまうかもしれない。別のコースも見たいが、それほど魅力的な温泉であるように思う。
総括
今回は御嶽山の見どころを紹介した。これは広大な御嶽山の濁河温泉からのコースの、さらに僕が見てきた中の一部しか紹介できていない。それほど大きな山であり、魅力的な山であると思う。ぜひ一度登ってみることをオススメする。
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