2019年8月に白山(御前峰(ごぜんがみね)標高2702.1m)に登ってきた。 富士山、立山と合わせて、日本三霊山と呼ばれている山である。
前回の記事では砂防新道から白山の最高峰である御前峰(ごぜんがみね)までのルートを紹介した。今回は山頂付近のお池めぐりと大汝峰、観光新道ルートの紹介をする。前回はこちらから。
白山に初めて登るのであれば、砂防新道で往復するルートが容易であると思う。しかし行き帰り同じルートは味気がないので、帰りは少々長くなるが、観光新道を進むルートをオススメする。
白山には危険個所はなく、登山道はよく整備されており歩きやすいので、特別登山に対する経験はなくても体力さえあれば登頂することができるが、個人的にはもっと容易な山で経験を積んでから登ってほしいと思う。
登山者の多さ | 多い |
駐車場 | あり |
お手洗の有無 | あり |
コンビニ | なし |
風呂 | 白峰温泉 総湯(駐車場からの18.3km) |
前回の砂防新道の記事を読んで頂いた方はコースタイムなど一部を変更したほかは登山コースまではほとんど同じ内容なので読み飛ばしてほしい。
どんな人にオススメするコースか
白山という山塊は非常に大きく、美しい。文句なしの名山なので、山登りをする全ての人にオススメすることができる山である。今回は別当出合から駐車場から登るコースの一つである観光新道コースを紹介する。
個人的には砂防新道のほうがカンタンに感じたが、どちらもそれほど難易度の高く無いルートなので、初めて白山に登る人でどちらかから登っておけば間違いない。
・初めて白山に登る人
・カンタンなルートで登りたい方
・白山の池めぐりをしたい人
・お花畑を楽しみたい方
登る時間が他と比較して短いので、白山の池を楽しむ時間を比較的確保しやすいルートになっている。白山は「白山」という山頂があるわけではなく、その山々を指す名前であり、非常に大きい山なので歩くべきところも多い。
筆者が登ったのは8月中旬で、砂防新道よりも観光新道のほうが高山植物が多くの花をつけていて非常に美しかった。
駐車場
別当出合の駐車場に駐車することが基本になる。100台以上は軽く駐車できるので、駐車場の心配はそれほどする必要はないかと思う。
駐車場は2段に分かれており、下の方が登山口から少し遠くなるので少々空いている。
ただし、紅葉などのシーズンによっては多くの人が訪れるので、注意は必要である。
登山コース・コースタイム
今回は別当出合→砂防新道→白山室堂→御前峰→大汝峰→白山室堂→観光新道→別当出合の順に周回した。
白山2019-08-11砂防新道→観光新道 / ずんやまさんの白山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
今回は別当出合から室堂までと、御前峰からお池めぐり、大汝峰を紹介する。筆者の個人的な感触としては観光新道と比較すると、砂防新道のほうがカンタンに感じた。別当出合の登山道から砂防新道と観光新道の登山コースが分岐している。
疲労度・危険度
毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。
疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。今回は日帰りでの判定。
疲労度★★★
危険度★★
疲労度について
一日歩く行程になるので、十分な体力が必要になってくる。少なくとも1日かかる行程の登山を経験してから登りたい。
初心者でもある程度の体力があれば登れてしまうが、登山は常に一定の環境で行動できるものではない。常に不測の事態に備える必要があり、それを想定できる経験が必要になってくる。
また標高2500mを超える高山であるために、空気が平地よりも少なくなる。それに伴う息切れの早さも勘案する必要がある。
筆者としては他の山で半日の行程でもよいので、最低でも2、3回ほど登山をしてから白山に登るようにほしい。あくまでも最低回数なので、さらに山歩きの経験を積んでから挑戦することを推奨する。
危険度について
登山道を歩いていく上では特に危険なところはない。よく整備されて歩きやすいので、楽しい山歩きになることが約束されている。
標高2500mを超えると、高山病になる可能性が高くなるので注意が必要である。登山の前日はゆっくり休んで備えよう。高山病の発症や症状には個人差があるので、何とも言えないが備えておくに越したことはない。
ちなみに筆者は寝不足の状態で高山に登ると、すぐに高山病のような症状が出る。そして寝たらすぐに治る。
標高差
白山の最高峰は御前峰(ごぜんがみね)であり、多くの登山者がここを目指し、ここに登ることで白山登頂と呼ぶ。
別当出合い(標高1250m)→御前峰(標高2702.1m)
標高差1450mの登り標高差を登る。数字で書くと大したことのないように感じるが、実際に標高差1000mをこえる山歩きをするとなかなかの疲労感がたまる。
コースタイム
砂防新道で登り下りした場合
登り:5時間
下り:3時間45分
コースタイムはあくまでも目安である。
合計9時間近くのコースタイムである。またさらに、山頂お池めぐり・大汝峰周回を追加すると以下の時間がかかる。ここに休憩も加えるとかなりの時間がかかるので、室堂に宿泊することをオススメする。予約状況は以下から確認してほしい。
山頂お池めぐり:1時間
大汝峰:1時間
コースタイムはあくまでも目安である。
御前峰から池めぐりを加えると、1時間ほど追加で時間が必要になる。池巡りに加えて大汝峰にも立ち寄るとさらに1時間追加になり合計2時間ほどかかる。
個人的には山頂のお池めぐりも大汝峰も大満足で素晴らしいところだったので、立ち寄ってみることをオススメする。
コースタイムはあくまでも目安に過ぎないが、自分自身がコースタイムと比較してどれくらいのペースで登れるかを把握していると、登ったことのない山でも大体の山行時間を予測できるので便利である。
登山コース
登山道はしっかり整備されており歩きやすい。本稿では別当出合から御前峰までのコースを紹介する。
別当出合→白山室堂(観光新道) コースタイム4時間20分
最初は樹林帯を進む。稜線へと続く急斜面を登って行く。さすがは百名山といった感じのよく整備された登山道を進むが急なところもあり、砂防新道のほうが歩きやすいと思う。
稜線に出ると木々の高さが低くなり、少々開けた景色になる。完全に開けているわけではないが、気持ちのよい登山道が続く。
稜線上は景色がよいので白山の雄大さを感じることができる。白山は一つの巨大な山塊。
観光新道ルートは砂防新道ルートと比較して花々が多かった。
おとぎ話の世界のようである。こちらの稜線歩きは非常に楽しい。これほどの花を見るのは、初めてであった。
これだけの花を見ると思い出さずにいられないのが、松尾芭蕉の以下の句である。
草いろいろ おのおの花の 手柄かな
松尾芭蕉『笈日記』より
アメリカのレーガン大統領が来日した際に演説でこの句を引用したことも知られる、芭蕉の中でも有名どころの句であると思う。大自然に感嘆した際には、この句を口ずさみたくなる。
観光新道の道中には殿ヶ池避難小屋がある。少々休んでから歩みをすすめることができる。
黒ボコ岩で砂防新道と合流する。そこからは弥陀ヶ原になるがそこの景色も素晴らしい。
山中に平らなところがあるのはなぜにこれほどまでに感動を誘うのか。不思議でならない。
白山室堂→御前峰(ごぜんがみね) コースタイム35分
こちらは砂防新道からのコースと投稿と同じものを載せている。
室堂までくれば御前峰(ごぜんがみね)標高2702.1mは近い。室堂の標高が2450mほどなので、室堂からは250mほどの標高差。筆者からするとここからの登りが最もキツかった。
室堂を上から見下ろすとこのような感じ。どこかドラゴンクエストの村を見ているような感じがする。
山頂。白山は一帯の山塊を指していう単語であり、御前峰は白山の最高である。筆者が登った際はかなりガスがあったが、標高2677m剣ヶ峰(立ち入り制限中)、標高2684mの大汝峰(おおなんじみね)が見えた。
御前峰→お池めぐり・大汝峰 コースタイム2時間ほど
主な池を紹介する。御前峰から急な坂を注意しながら下ると最初に見えてくるのが、紺屋ヶ池である。
池に向かってまっすぐ伸びる道が美しい。
次に見えてくるのが翠ヶ池。天気がよければ、池の向こうの山並みも見えてさぞ美しいのだろうと思う。さらに歩みをすすめると室堂と大汝峰へむかう分岐に出る。
余力があれば大汝峰にも登ることをオススメする。別当出合から御前峰まで歩き、池めぐりをしたあとの大汝峰の登りは長くはないが、なかなかキツかった。
山頂には神社が石垣に囲まれている。
大汝峰の山頂!20分ほどで分岐からは登ることができる。
石垣で風に守られている大汝神社。大汝という文字列がかっこよい。大汝峰を下り、再びハイマツの間の道を進む。下の写真の中央にそびえるのは御宝庫(おたからこ)。非常によい名前がついている。
お宝というロマンにあふれる名前。さらに進むと千蛇ヶ池に到達する。
筆者は8月に登ったが、千蛇ヶ池には水がなかった。もう少し季節が進むと雪が溶けて池になるのか。といっても10月にもなれば、また雪が降るのだろう。
千蛇ヶ池で池巡りは終了。室堂へと向かう。
室堂までの道は非常に気持がよい道である。
室堂に戻れば、休憩をしてから下山となる。砂防新道、観光新道好きな方を選んで下山しよう。
筆者はそちらは通っていないので紹介はできないが、エコーラインというコースを使用するのも少々時間が伸びるが良いと思う。
総括
今回は観光新道からのルートを紹介した。このルートの稜線上のお花畑は非常に美しく、これを見るためだけに登ってもよいと思うくらいであった。
また池巡りも山頂にある池は神秘的な雰囲気を醸し出しており、白山が山岳信仰の盛んな山であることを改めて実感させてくれる。
砂防新道と比較すると少々難易度が高くなるが、観光新道もよい道なので、こちらもオススメしたい。体力があれば、観光新道→砂防新道で行き帰りで違うルートで周回するのがおもしろいと思う。
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