8月7日(日)に山形県の日本百名山の一つ月山に登ってきた。
今回は雨が横殴りに降る天気で眺望は特に望めなかった。残念な山行になってしまった感があるが、ガスの間から見える景色は一級の景色であったことは忘れられない。
なので今回紹介する写真は全く晴間の無いガスの景色だけである。
8合目の登山口からは急な登りがあまりない、ゆるやかな登りをひたすら歩くコースだ。特に強靭な体力がなくても難なく登ることができるコースである。
誰にオススメする山・コースか
月山に登るルートの中でも最も容易なコースの一つかと思う。
・初めて月山に登る方
・ゆるやかな登りを楽しみたい方
・池塘のある湿原を散策したい方
基本的にゆるやかなコースで歩行時間もそこそこにまとまっていて歩きやすいコースかと思う。
途中の弥陀ヶ原は池塘が散在する美しい風景を見ることができる。
駐車場
月山八合目に駐車場がある。広い駐車場ではあるが、アクセスする道が一本だけで、すれ違いの困難な箇所も多数ある狭い道を進む。シーズン中は渋滞が発生することもあるようなので、注意が必要である。
混雑の中を車で進むことを避けてバスでアクセスすることも選択肢として持っておきたい。鶴岡駅近くのエスモールからバスが出ているので参考までにリンクをはる。
駐車場にはトイレも完備されている。使用料は1回につき100円以上である。
車で八合目に向かう際に大きな鳥居をくぐった。信仰の強い山は厳かな気持ちになる。
登山コース・コースタイム
月山八合目→月山山頂→弥陀ヶ原周遊→月山八合目という同じ登山道を登って戻るピストンでの山行をした。帰りは少々回り道をして弥陀ヶ原を歩き回った。
以下のようなルートで歩いた。最初弥陀ヶ原を通過するときには記録を取るのを忘れていた。
コースタイムは以下の通りである。YAMAPの時間を参考にしている。
登り 3時間
下り 2時間20分
弥陀ヶ原散策 30分
途中の佛生池小屋へは山頂までのおおよそ半分となり、目安として丁度いい。
月山八合目→佛生池小屋 コースタイム1時間30分
佛生池小屋→月山神社(山頂) コースタイム1時間30
標高差
今回の山行ではそれほど登った感覚がなかった。
月山八合目標高1400m→月山山頂1979.8m
おおよそ標高差600mを登る。標高差のわりに距離が長いので、ゆるやかな登りになり登山のキツさとしてはそれほどではない。
疲労度・危険度
毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。
疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。
疲労度★★
危険度★★
疲労度については半日以上は歩く必要があるので、日常的に運動をしているレベルでの体力があることが望ましい。運動をしていなくても登れるには登れても辛い山登りになってしまう可能性がある。
山に慣れている人であれば、それほど披露することなく往復できるだろう。
危険度については危険箇所はない。登山道は土ではなく、むき出しの石の上を歩くので、足元をしっかり確認しながら歩く必要がある。滑りやすいところもあるので注意が必要である。
基本的に広い尾根を歩くので、足を滑らせる可能性はあるが、滑落をする心配はそれほどない。
登山コース
月山八合目→月山山頂→弥陀ヶ原周遊→月山八合目という同じ登山道を登って戻るピストンでの山行をした。帰りは少々回り道をして弥陀ヶ原を歩き回った。
月山八合目→月山山頂
月山八合目の駐車場から登山をスタートする。駐車場からも絶景が広がる。そして今回はこれが開けた景色を見る最後の瞬間となった。
登山道はよく整備されていて歩きやすい。特に弥陀ヶ原までは登山者だけでなく、一般の観光客もいるので、よく整備されている。
駐車場方面を振り返る。木道が続く歩きやすい道を歩く。草原の中の爽快な散歩を楽しめるだろう。雨の中では何も考えずにひたすら山頂を目指す。
強い雨によって登山道は川のような状態になっていた。水の中をバシャバシャと進んでいく。最初は濡れるのは少し嫌とは思っていたが、びしょびしょになれば逆にそれが気持ちよい。
登山度は急な坂があったり、平坦なところがあったりする。割合的にはなだらかな坂が一番多く、それほど歩くのは大変ではない。
しばらく歩くと佛生池に到着する。お地蔵さんが並んでいて、信仰の深さを感じさせる。
佛生池には小屋もあり、一休みできる。宿泊をすることも可能だ。
雨の中歩いたということもあり、小屋で一休みすることにした。力もちのきなこ(きなことあんこを選べる)を購入して食べた。もちは美味い!
雨の降りしきる中ひたすら山頂を目指して進んでいく。雨は雨の雰囲気があってよい。雨でも楽しめる気概を持っていないと雨の日の山は楽しめないだろう。
登山道は整備された石畳、石がゴロゴロしているところ、木道の3つが主である。
よく整備された石畳を歩く。人間の信仰心の強さ、深さを感じさせる。
デコボコしているので、足をひねらないように注意して歩く。
月山神社本宮に到着した。神社内(石垣内)は写真の撮影が禁止だ。
本宮参拝前には500円でお祓いを受ける。お祓いの際に人形切った紙の形代で全身を清めて、祓詞を受ける。人形の形代はお祓所の横の水の中を入れるがお祓い守りは持ち帰りできる。
お祓いの言葉はほとんど何を行っているかはわからなかったが、「月の宮」という言葉は聞き取れた。月の山にある「月の宮」とは何とも言えない乙なものである。
また伊勢神宮の近くにも月読宮というツクヨミノミコトがご祭神の神社があったなと思い出しながら参拝をした。
月山山頂の三角点は月山神社の少々北にある。月山神社から直接山頂に行くことができないので、少々登山道を北に進んだところから山頂に向かって進んでいく。
以下の写真のあたりから斜面を登っていけば山頂の表記がある。
山頂に到着した。晴れていれば美しい景色が見れたのだろうと思いながら、白い空に景色を見出そうとする。見えない景色はそれはそれで乙なものと言い聞かせて下山路につく。
月山山頂→弥陀ヶ原
下山路は登ってきた道と同じ道を辿った。
木道は歩きやすい。雨の中を静かな心持ちでゆったりと歩いていく。
雨に濡れた岩を滑らないように気をつけて下っていく。というよりも滑ることを前提とした歩き方をして進んでいく。
途中とても小さいヒキガエルに遭遇した。積雪の多い月山の上でもヒキガエルは繁殖しているのだと生命の適応範囲の広さに感服した。積雪中は冬眠すれば、特に生命に問題はないのだろう。
下りも川のような登山道をバシャバシャと下っていく。慣れると気持ちいい!
弥陀ヶ原→月山八合目
弥陀ヶ原まで戻ってきた。弥陀ヶ原は全部木道が作られており、その上を歩くようになっている。みだりに湿原の中に入ってはいけない。
晴れていれば爽快で気持ちによいだろうが、雨の中は神秘的で美しい。むしろこちらの方がよいのではないかとも思えてくる。
湿原は晴れても雨が降っても楽しめるものなのかもしれない。
これでもかと黄色く咲き誇っているのは「キンコウカ」という標高の高い湿原に咲く花である。単一の植物が一斉に咲くと迫力がある。
花びら自体は小さく、可愛らしい。遠くを眺めて黄色と緑のコントラストを楽しむもよし、近寄って小さな花を姿を愛でるもよい。
草原の散策を楽しむ。草原に続く一本道はなぜこうも人の心を惹くのか。
若干のガスの晴間が広がる。
弥陀ヶ原の周回を終えると御田原神社の参詣所に到着する。漢字での表記は違うが「みだがはら」、「みだはら」と両方とも同じものをさしているのだろう。そういえば鳥海山にも御田ヶ原があったなと思いながら歩く。
大きなうさぎの石像があり、月といえばうさぎであることを思い起こさせる。うさぎは月の精とされているらしい。
今回もお疲れ様!
総括・その他
今回はガス、雨の中での登山になった。いうまでもなく登山は晴れているほうが爽快感があり、気持ちよく、楽しい。雨の中ではメンタルをうまくコントロールしなければ、ただの苦行になってしまう。せっかくの山登りが苦行になってはもったいない。
そこで考えるのが以下のようなことである。
- この雨が美しい草花を成長させていると想像する。
- 神秘的な光景を見ることができる。
- もう一度来るように山が誘ってくれている。
半ば強がりな気がするが、そのように考えた方がメンタル的に安定して、楽しく山に登ることができる。
晴れの日にまた登りたい山になった。百名山に深田久弥が選んだのは、然るべき理由があるからであり、百名山に選定されている山はどの山も1度だけでなく、何度も登りたいと思える。紛うことなき名山であると思った。
また下山すると下界は晴れていた。下山すると晴れるは「マーフィーの法則」なのではないか?
帰り道の月山高原のひまわり畑がきれいだった。月山が雨だった分、爽快感が増す。
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