今回は低山を登山する楽しみについて記事を書く。登山と言えば高い山に登ることをイメージする方が多いかもしれないが、個人的には登山の本流は無数に存在する低山に登る人間で形づくられていると感じる。
この記事を読んでほしい人
初心者から低山を愛する方まで幅広く読んでいただきたい。
・高い山しか登ったことが無い方
・登山を始めたい方
・低山を愛する方
低山には筆舌に尽くしがたい魅力が詰まっているので、登ったことがない方、ご無沙汰な方、もちろん低山しか登らない方にも読んでいただきたい。また低山に対して偏見を持っているかに対しても反論できるようになれると思う。
4つの魅力
基本的に高山の方がおもしろいという論調があるように思うが、低山がつまらないのかといえば答えは完全にNO。
深田久弥氏も百名山にいくつか低山を挙げているが、低山には低山の魅力がある。低山というより、その山一つ一つに良いところがあるといったほうが適切かもしれない。
以下のように低山登山には4つの魅力があるように思う。
簡単に登れる(場合が多い)
低山は山によって色々であるが、高山に比べて格段に登りやすいことが多い。もちろん難易度が高く、体力が必要な山の存在するが、探せばすぐに気軽に登れる山が見つかるのが低山の特徴である。
高山であっても登山口の標高が高かったり、ロープウェイが通じていることで簡単に登れるところもあるが、 基本的には多くの低山と比べて長い登山道が多い。必然的に十分な体力が求められる。
比較的必要な体力が少ない山から、体力の必要な山までバリエーションが豊富で、自身の体力に合わせてステップアップしていくことができる。高山へ登る前の前段階のトレーニングとして利用することもできる。
そもそも低山だから難易度が低いと考えている方もいるようなので、考えを改めてほしい。難易度の高い低山も多数存在する。登山の難易度は、標高で決まるものでない。その山の特性によって決定される。
アクセスしやすい
山から離れた広い平野に住んでいない限りは、この山がちな日本ではすぐに山に到達することができる。そのため、都市部に住んでいる人や高山が無いエリアに住む人であってもすぐに山に登っていくことができる。
高山は主に日本アルプスのある本州の中央部くらいでしか登ることができない。その近辺に住んでいないと、気軽にアクセスすることができない。
身も蓋もないことを言うと、住めるものなら高い山の近くに住んだほうが面白いかもしれない。高山であっても登り始めは標高の低い山もあるので、大は小を兼ねると思う。
とはいっても、そう簡単に引っ越すわけには行かないと思うので、今住んでいる場所から気軽にアクセスできるという点は非常に魅力的である。山好きとしてはすぐに山に登れる点が高得点である。
バリエーションが豊富
日本に高山と呼ばれる山は、定義によって数の変動はあると思うが、低山に比べると多くはない。
低山はほとんど無数と言ってよいほどの山があり、地元で有名な山から全く無名の山まで存在する。個性が乏しい山もあれば、個性が豊かな山もあり、バリエーションに富んでいる。
低山はつまらなさそうだから行かないというのは非常にもったいない。
草原の広がる山、岩が露出した山、樹林に囲まれた山。様々な山があるので、低山と一括にするにはいささか主語が大きすぎる。それくらいに多様性に富んでいる。
色々な山があるので、どんどん登ってみよう。
高山も主語が大きすぎる言葉である。高山も山それぞれ、多様性に富んでいる。それは低山も同様である。低山にも魅力的な山は存在する。低山を馬鹿にするような発言は自身の無知さを露呈しているに過ぎない。
また人気のない山から、人気の山まで様々雰囲気の山を楽しめる。難易度もそれぞれなので、注意が必要である。
人間文化との関係性を感じる
鈴鹿山脈を歩いているとよく目にするのが、炭焼きの窯。もはやその名残しか見れないのが残念なのであるが、当時は丸く囲われた石垣が屋根に覆われ、炭が焼かれていたかもしれないと想像をする。
こんなところにまで炭焼の窯の驚嘆することがある。人間の生命力の強さ、山の中でも生きることができるということを実感できる。
鬼滅の刃の主人公、炭治郎の生家の家業は炭焼であったことも思い出させる。鬼がこなければ、炭治郎も炭焼の人間になるはずであった。かつて人間と山がもっと近かった時代。混じり合って生きていた時代の名残を感じることができる。
ある意味、近代の西洋登山が交流している現在の方が人間と山は近いのかもしれないが、生活と密着していた時代を感じることができる。
高山では西洋登山が始まるまでは信仰による登山が中心であったので、日常生活とは切り離された場所に位置していたのではないかと思う。
それと比較して低山は人間の生活に密着している。そこが魅力なのではないかと思う。
確かに手つかずの場所や、未踏の地も魅力的ではあるが、人に馴染んだ山域も捨てがたい魅力がある。
総括
今回は低山の魅力について語った。特にアクセスが簡単で登りやすいことが魅力であると思う。初心者は低山で気軽に登山を始めても、十分に山を楽しめると想う。
是非、低山に登ってみよう。話はそれからである!
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