2020年5月武平峠から雨乞岳に登山した。鈴鹿山脈で第2の高さを誇る山(標高1237.7m)。一帯は背の低いクマザサに覆われており、眺望が非常によく、大満足の登山を楽しめる山である。
今回は(鈴鹿スカイラインの)武平峠から雨乞岳に登るルートを紹介する。雨乞岳に登るルート中で最も簡単なルートである。
その他に様々なルートが存在するが、初めて登るのであればこのコースを選べば間違いない。
登山者の多さ | 多少はいる(筆者の感想)。 |
お手洗い有無 | 武平峠トンネル東側に無料公衆トイレあり。 |
コンビニ | 峠付近にコンビニはない。 |
温泉 | 湯の山温泉がある。個人的には以下がオススメ。 |
どんな人にオススメする山か
武平峠以外のコースはコースタイムが長くなり、なかなか取りつきにくいがこちらのコースは雨乞岳への最も容易なコースになると思う。
ある程度は歩くのでラクとは言えない。その点は勘違いしないようにしていただきたい。
駐車場
武平峠のトンネル西側(滋賀県側)の出口すぐに駐車場がある。十数台は駐車できるようになっているが、御在所岳への登山道も近くにあり、ハイシーズンには多くの登山者でにぎわうために駐車が難しい場合がある。
基本的には朝早くに到着するようにしたい(5時、6時くらい。それより前でもOK)。
またそこから滋賀県側に少々道を下ったところにも駐車場がある。
路上駐車も当たり前のように見られるが、悪質なものは取り締まりの対象になるので、路上駐車はしないよう注意されたい。早くいって駐車場所を確保する必要がある。
またオススメはできないが、昼頃に行けば早出した人が帰宅するので空いてくる可能性がある。体力も経験も十分な登山者であれば、それを狙うのも良いかもしれない。自己責任でお願いする。
登山コース
武平峠から七人山の西側の鞍部を経由して雨乞岳に至り、東雨乞岳から三人山を経由するルートで周回した。
雨乞岳-2020-04-19 武平峠から / ずんやまさんの七人山・東雨乞岳・雨乞岳(滋賀県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
沢沿いの道を進み、沢を詰めあがると鞍部(尾根上の低くなったところ)に出る。そこから頂上を一気に目指すといったルートである。
疲労度・危険度
毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。
疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。
疲労度★★
危険度★
疲労度については短くはないルートなので、「★★」にしている。全くの初心者であれば苦行になる可能性があるが、ある程度登山に慣れてきた、もしくは運動習慣のある方であれば問題にならないコースである。
危険度については特に危険箇所はないので、油断をしないように歩けば問題はない。
コースタイム
コースタイムはあくまでも目安である。自分のコースタイムに対して、どれくらいかは一度、YAMAP等の登山アプリを使用して測定することをオススメする。
登りのコースタイム2時間30分ほど。三人山経由の下りも同じくらいの時間がかかり2時間30分ほど。登り下りの合計時間は5時間かかる。休憩や昼ご飯を食べるとすると6時間を超えるぐらいを想定しておくとよい。
個々人の歩行ペースに合わせて計画を立ててほしい。
標高差
標高約800mの武平峠から、標高1237.7mの雨乞岳山頂までの標高差約400mを歩く。標高差400mといっても単調な登りではなく、アップダウンもあり水平方向への移動距離もあるので、数字以上に体力が必要になる。
標高にして400mだけ登るコースではないということには注意されたい。
登山の見どころ
沢沿いの登山道
沢沿いの道を進む。沢沿いはひんやり涼しく、清廉な気分になるので個人的には好みである。今回は新緑が芽吹く前の登山である。
七人山
沢を詰めあがった鞍部で西に行くと東雨乞岳、東に行くと七人山である。七人山という名前の由来はよくわからない。
「七人の侍」的な感じで若干カッコ良いので立ち寄ってみたが、特に何もない木々に囲まれただけのピーク。興味がなければ特に立ち寄る必要はないと思う。
東雨乞岳
東雨乞岳は今回の登山のハイライト。正直雨乞岳よりよい。
七人山の鞍部から西に向かうと東雨乞岳直下の急登が始まる。だんだんと視界が開けてくるので、気持ちのよい登山が楽しめるだろう。
鈴鹿の主稜線や滋賀方面が一望できる。
雨乞岳自体の眺望はそれほど開けていないが、東雨乞岳の眺望は360度で非常によい。お昼休憩をするのであれば、雨乞岳よりも東雨乞岳をオススメする。
東雨乞岳から雨乞岳への登山道はクマザサの間を行く楽しい登山道である。今回の登山で一番楽しいところかもしれない。眺望のよい笹原を行く。
雨乞岳
雨乞岳の山頂は若干入り組んでいる。山頂には大峠ノ沢という小さな池があり、雨乞信仰の対象とされているそうである。ぜひこちらも忘れることなく見ておきたい。
こちらも展望はよく御在所岳、鎌ヶ岳をよく見ることができる。
南雨乞岳
南側には南雨乞岳がある。こちらへの道はあまり整備されていないので、そのような荒れた登山道の経験がない方は立ち入ることを控えられたい。
下の写真はガスまみれだが、南雨乞岳からの清水頭を経て綿向山にまで至る登山道が見えていて、こちらの登山道も今度行ってみたいと思った。開けた尾根線で気持ちの良い登山ができそうである。
上の登山道の問題点としては、そこまでのアクセスが悪いことである。
1つ山に登ると、その景色を眺めることで別に登りたい山ができてしまい、山登りをし続ける無限ループに陥ってしまう。
三人山
下りには三人山が存在する。七人山では7人いた登山者が三人山では3人になっていたというホラーな話があったりするのだろうか(あるわけない)。名前の由来は不明である。
総括
冒頭でも述べたが、初めて雨乞岳に登るなら奇をてらわずに、このルートで登れば間違いない。沢沿いの気持ちのいい道、東雨乞岳の急登、東雨乞岳から雨乞岳への開けた眺望の稜線歩き。
どれをとっても満足の行く登山になるだろう。オススメの山であることは間違いない。
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