油日岳 油日神社方面から登り加茂岳、忍者岳を経由して三国岳まで縦走

鈴鹿その他

2022年4月17日に鈴鹿山脈の最南部(鈴鹿山脈ではないという説もある)の油日岳(あぶらひだけ)に登ってきた。油日岳から三国岳への縦走路は標高が低いながらもスリリングな縦走を楽しめる。

油日岳まではすぐに登れ、稜線を歩きを含めても3時間程度に収まる。気軽に山を楽しみたい方、体力に不安んのある方にオススメである。

眺望は木々の合間から然見ることができない点が少々残念ではあるが、見えそうで見えない景色が時たま見れるようになると、それはそれで美しい。

ふもとには油日神社が鎮座している。甲賀の総社として知られ、甲賀忍者がここに集結していたともいわれている。その油日神社のご神体にされていたものが油日岳である。油日岳の山頂には岳大明神がまつられている。

登山者の多さ少ない
駐車場あり(無料)
お手洗の有無あり(油日神社)
コンビニなし
温泉野天もくもくの湯(油日神社から9.2km)
風呂の営業状況については各自で確認していただきたい。
伊賀の里モクモク手づくりファーム:野天もくもくの湯
ファームで楽しく過ごしたあとに、ゆったりとくつろいでいただける温泉施設です。

誰にオススメする山か

林道(大半が未舗装路)を終点まで自家用車で進んでいくと1時間とかからずに山頂に到達することができる。それほど登山者が多くなく、静かな登山を楽しむことができる。

・手軽に山頂に立ちたい人
・低山の縦走を楽しみたい方
・鈴鹿最南部で静かな登山を楽しみたい方

登山道はしっかり踏み跡があり、整備されているのでよほどのことがない限りは、道に迷うことはないだろう。

駐車場

油日神社の駐車場、もしくは林道を進んだ先のどちらかに駐車するとよい。

林道を進んで行った先にも駐車スペースはあるが、多くはないので、油日神社横の駐車場に停めてもよいかもしれないが、林道歩きが長くなる。

油日神社横の駐車場。

林道へは油日神社横の道を進んで行くと油日岳登山道入り口との看板があるので、それにしたがう。林道は未舗装路が大半なので、注意してほしい。

林道の途中に駐車スペースがあるので、そちらに駐車するとよいかもしれない。くれぐれも邪魔にならないように停めるようにしたい。

少々広くなっているので、駐車可能かと思われる。

林道の終点にも若干のスペースがあるが、傾斜が急な上、狭いので車の向きを変えるのも難しいのでオススメはできない。

林道終点は狭いので方向転換は難しそう。

登山コース・コースタイム

今回は油日神社脇の林道をバイクで進み、林道の終点から歩き始めた。林道終点から油日岳に登頂して三国岳まで歩いて、また油日岳まで戻り下山した。

油日岳・加茂岳・忍者岳・三国岳 / ずんやまさんの忍者岳油日岳三国岳(滋賀県甲賀市)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

標高差

標高は700mにも到達しない低い山である。

林道終点(標高450m)→油日岳山頂(標高693m)

標高差はおおよそ240m程度で気軽に登れる標高差である。急なところがあるので、そこのペースさえゆっくり登れば、疲れるような登山にはならないだろう。

ちなみに油日神社は標高240mなので、こちらから登る場合は標高差450mになる。油日神社から林道終点はほとんどがゆるやかな登りで、最後だけが急な上りになる。

コースタイム

・油日神社→林道終点 徒歩で1時間以上

車で進めば5分から10分程度の道である。未舗装路ではあるが、それほどきれいに整備されており、それほど心配なく走れる。徒歩で向かえば、ほぼ平坦な林道を楽しむことができる。

・林道終点→油日岳山頂 登り45分 下り40分

林道終点からは1時間とかからずに登頂することができる。下りは当然かかる時間は少し短くなる。歩みが速くなりすぎないように注意したい。

・油日岳→三国岳 縦走コース 30分(往復1時間)

油日岳から三国岳への縦走路を歩くコースは、アップダウンあり、鎖場ありの変化に富んだおもしろいコースなので、ぜひ歩いて見てほしい。

疲労度・危険度

毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。

疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。

疲労度★
危険度★

片道1時間以下の手軽なルートなので、山登りとしては最もカンタンな部類になるだろう。ただし急な登りはあるので、登るペースを間違えればかなりきつい登山になってしまう。特に初心者はゆっくり登るようにして、ペースに気をつけよう。

急なところがあるので、滑って転ばないように注意が必要である。他には木の根っこや石などにつまづかないように気をつけて歩くようにしたい。山を歩いているという緊張感を忘れないようにすれば特に危険なことはないだろう。

縦走コースを歩くと道が多少わかりにくいところがあるので、注意が必要になる。低山とはいえ登山道から外れてしまうと、難易度は急激に上がるので登山道からは外れないように歩きたい。

登山コース

林道終点から油日岳山頂までへの道と、油日岳から三国岳への山頂にかけての2つに分けて紹介する。

林道終点→油日岳山頂 コースタイム45分

林道終点からは小さな滝と、整備された土手を横切る。基本的に登山道は整備されているので、見失うことはない。

登山口にはスミレがちらほらと咲いていた。小さく可憐な花を愛でてから歩き始める。

最初は沢沿いの道を進んでいく。苔むした岩を乗り越えて、スギの植林地帯へと歩みを進める。

カンタンなはしごがかかっている。

登山道として踏み跡が少ない下のガレ場のような場所もあるが、水の枯れた沢沿いに進んで行けば問題ない。

今回の登山に地下足袋を使用した。地下足袋は地面の感覚をダイレクトに伝えてくれて気持ちよく歩くことができ、オススメである。見ての通り岩にも足裏がフィットしている。

ところどころに積み重なっている花崗岩は忍者の修行場を思わせる。それ以降はスギの間を進んでいく。

何の修行をするのかは知らんけど。

進んでいくと最後の水場に到達する。愛知県でエキノックスが定着した説もあり、野山の水をそのまま飲むことは控えたほうがよいだろう。

水場から稜線へは急登がある。ロープは使わなくても登れるが、下りは滑りやすいので、必要に応じて使用するとよいだろう。

登り続けると稜線に到達する。ここの分岐を右に行くと油日岳、左に進んでいくと三国岳に到達する。ひとまずは油日岳に登頂する。

木々に囲まれているものの、稜線に出ると風の流れが変わり、爽快感のある山歩きを楽しめる。

油日岳山頂は標高693mで眺望はあまりない。岳大明神がまつられている。油日神社の奥宮にあたるようである。お参りをすませて北側に少し下っていくと小屋がある。

小屋からは甲賀、伊賀が一望できる。遠くは琵琶湖、その向こうの比良山地まで見ることができる。小屋は扉がなく、自由に出入りでき、一休みできる。

小屋の中からは伊賀方面を一望しながら休憩できる。

小屋の奥からも油日神社方面へ下ることができるが、踏み跡が薄く、難易度が一気に上る。獣道のような登山道が好きではないなら進まないほうがよい。

伊賀方面の景色。写真の中央に甲賀と伊賀の境界、つまり滋賀県と三重県の境目がある。そのあたりは水口丘陵という複雑な地形のため、どちらの県か見極めることは難しい。

甲賀と伊賀、つまり忍者の里を一望できる。

油日岳山頂→三国岳 コースタイム30分

油日岳から三国岳への稜線を歩いて行く。三国岳への間にも加茂岳、忍者岳というピークが存在する。

縦走路は痩せ尾根もあり、歩く際は注意が必要になる。

いくつかある痩せ尾根の一つ。

ちょうど稜線上では広葉樹の新芽が萌え始めていた。新緑萌えはよいぞ。

新緑を愛でることは登山の醍醐味の一つではなかろうか。

進んでいくと加茂岳山頂に到達する。木々に囲まれているため眺望はない。

岩がむき出しになっているところを超えて忍者岳を目指す。岩であるきそうに見えるが、歩いてみると案外すんなりと歩くことができる。

忍者岳山頂は標高728mで、眺望はない。忍者岳という名前はどうも後付感があるが、忍者は忍者なのでロマンにひたろう。

稜線を進んで行くとイワウチワの群生を見つける。稜線上にはイワウチワがところどころにきれいな小さな花を咲かせている。見落とさずに愛でたいところである。

途中は花崗岩が風化してザレているところがあるので、滑らないように注意が必要である。

三国岳直前の望油峠のキレット。望油とはいうものの油日岳は見えない。ロープが用意されているので必要に応じて使うとよいが、ロープの状態は保証できないので、自己責任で使うようにしたい。

ご丁寧に三点確保をするように注意してくれている。三点確保とは手足の三箇所を岩や木などについて、残りの手足だけを動かすことである。鎖場などを登る際に必要な技術である。

三国岳山頂は標高715mで、三国とは近江国、伊勢国、伊賀国の境界であることを意味しているのだろう。さらに那須ヶ原山、鈴鹿峠へと進む縦走路もあり、おもしろいコースである。今回はここで引き返す。

眺望は看板の裏の少し開けたところだけである。

あとは通ってきた道を帰るだけである。静かで風通しのよい楽しい道である。

油日岳に再び戻り下山を開始する。

油日岳→林道終点 40分くらい

油日岳から国土地理院地図で北側に伸びる破線にしたがって下った。こちらの道は登山道がはっきりしないので、そのような道に慣れていたり、好みでなければ控えたほうがよい

油日岳の小屋から少し下ったところで、すでに踏み跡は薄い。慎重に下っていく。

途中の岩場で出会ったミヤマツツジがきれいだった。緑色と茶色の世界に唐突な鮮やかが現れる。

尾根上の岩がゴロゴロしているところを乗り越えて進む。登山道は見失った。道があっているかは微妙なところである。

斜面を下り、獣が通ったあとをたどりながら歩けそうなところを探す。水の流れていない谷があったので、ここから下ることにしたが、登山道との合流の手前で滝のようになって降りることができなかった。

登山で道に迷ったときによくいわれるのが、沢を下ってはいけないということであるが、このことである。横に迂回して事なきを得た。

あとは登山道に合流して下った。

油日神社

油日岳に登るなら油日神社にお参りすることも忘れないようにしたい。

甲南町上馬杉にも同名の神社があるが、甲賀の総社は甲賀町油日のほうであるので間違いのないようにされたい。

境内はきれいに整備されており、建物も立派で一度は訪れておきたい神社ではないだろうか。

総括

甲賀の総社である油日神社のご神体である油日岳、信仰の山として興味深い。油日岳の山だけではなく、神社も立派な建物があるので見逃さないようにしたい。

また信仰だけでなく、甲賀流忍者がこの山で修業をしていたのではないか等の想像がふくらむ。ロマンにあふれる山である。ところどころにある岩場はかつての行場であるかもしれない。

低山とはいえ縦走路は変化に富んだ道で楽しい道なので一度歩いてみてほしい。

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