今回は烏帽子岳の細野登山口にバイクを駐輪して、県道139号線を進み五僧峠まで歩き、ヨコネ→ダイラの頭→三国岳→烏帽子岳に登ったあと下山した。
県道を歩く距離が長く、登山道に入ってからは踏み跡の薄い少々難易度の高いコースなので歩くのは中級者以上がよいと思う。各山の山頂は樹林に覆われていることが多い。眺望はあまり期待できないが、ところどころで眺望を楽しめる。
踏み跡こそ薄いものの藪こぎするところはほとんどなく、経験のある人なら、道迷いさえしなければ問題はないだろう。
登山者の多さ | ほぼいない |
駐車場 | あり(無料) |
お手洗の有無 | 烏帽子岳駐車場にあり |
コンビニ | 登山口から10kmほど |
温泉 | 阿下喜温泉あじさいの里(登山口から20kmほど) |
誰にオススメする山か
登山道が不明瞭なところが多く、登山者も少ない。静かに登山を楽しみたい人にオススメする道である。基本的に木々に覆われていて眺望はないので、樹林帯の縦走が好きな方にもオススメする(鈴鹿の縦走路はほとんどそうだが……)。
・人の少ない静かな登山道を楽しみたい方
・登山道が整備されていないところが好きな方
・樹林帯の縦走が好きな方
分岐を見失いそうなところもあり、それはそれで楽しめる人にオススメする。
駐車場
今回は烏帽子岳の駐車場を使用した。国道365号線から登山口の看板があるので、迷わずに駐車場に到着できる。
お手洗いもキレイに整備されたよい駐車場だった。烏帽子岳へ単体で登る場合はこちらから登る。僕は五僧峠から縦走して烏帽子岳で下山する予定である。
ヨコネのみ周回する場合であれば、五僧峠の駐車場のようなモノを使用できる。
数台駐車することができる。
登山コースについて
今回は冒頭でも書いたとおり、細野登山口から県道139号線を進み五僧峠まで歩き、ヨコネ→ダイラの頭→三国岳→烏帽子岳に登ったあと下山した。
ヨコネ最高点・ヨコネ・東ヨコネ・ダイラの頭・三国岳・烏帽子岳を縦走! / ずんやまさんの三国岳(滋賀県犬上郡多賀町)・ヨコネ(滋賀県犬上郡多賀町大字五僧)・烏帽子岳(岐阜県大垣市)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
県道の林道を歩くのが少々面倒なので、複数人で行く場合は車を別々に駐車したりして、林道歩きはなるべく回避したい。
バスが走っている区間もあるが停留所が使いづらい位置にあること、時山集落までのバスしかないこと、本数がほとんどないこともあり使用は現実的ではない。
標高差
標高230mの細野登山口駐車場から今回最高点の三国岳の標高894mまで約750mの標高差を登る。今回は縦走なので、山頂から山頂に歩くときにアップダウンがあるので、単なる標高差だけでは疲労度は測れない。
登山口(標高230m)→ソノド(標高894m)
そして今回登るのは、ヨコネ最高点(標高764m)→ヨコネ(標高759.6m)→東ヨコネ(標高757m)→ダイラの頭(標高803m)→三国岳(標高894m)→烏帽子岳(標高864.8m)となる。
一度ヨコネに登ってしまえば、縦走中の鞍部で最も低いところでも650m程なので、それほどアップダウンがキツイわけではない。ただし登り下りは何度も続くので、疲労は間違いなく蓄積する。
疲労度・危険度
毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。
疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。
疲労度★★★
危険度★★★
疲労度については8時間を超える行程なので、十分な体力と経験を持っている必要がある。林道歩きが2時間ほどあるので、そちらでも体力が消耗する。
危険度についてはヨコネには岩場で細い尾根があるので、余裕を持って切り抜けることができる体力と経験が必要になる。長い行程になるので、後半でも正しい判断ができる余力が欲しい。
登山記録とコースタイム
合計の登山時間はコースタイムでおおよそ9時間ほどで、そこそこの体力がないとなかなか歩くことができないのではないかと思う。
最初の林道を徒歩で進むダメージは大きい。最後に烏帽子岳まで来ればカンタンに下れるだろうと思っていたが、烏帽子岳山頂付近はかなりの急坂であった。
細野登山口から五僧峠 2時間10分ほど
細野登山口から五僧峠に向かって歩いて向かう。最初はしばらく平坦な道を歩き続ける。峠に近づくにつれて傾斜がキツくなる。
五僧峠を超えてしばらく下っていくと権現谷に到着する。この沢にかかる横根橋を渡ったところから登山道が始まる。
YAMAP地図上は「ヨコネ」と表記されるが、この橋には「横根橋」とあるので漢字では「横根」なのだろう。おそらく県境尾根の横の尾根なので、この名前だと推測できる。
わかりにくいがカーブミラーの手前に若干の踏み跡があるので、そこから沢を渡渉して登山道に入る。
五僧峠からヨコネ最高点 1時間10分
渡渉中に足元を確認すると今季初のヤマビルを発見した。鈴鹿に慣れた登山者であれば、シーズンになると足元の確認は欠かさない。よく訓練された鈴鹿の登山者は素手でヤマビルに触ることもいとわない。
沢の合流地点の南側の尾根からヨコネへと登り始める。林業用のモノかもしれない赤いテープがあり、そこは若干踏み跡があるので頼りに登る。
赤いテープは周辺に数多くあり、赤テープは必ずしも登山道を示すものではないので注意してほしい。むしろ登山道でない場合が多いかもしれない。特にマイナーなルートを通る際は警戒をしたほうがよい。
最初こそ分かりづらいものの、登っていくとわかりやすく山頂につながっていると思える尾根と合流する。この尾根につくと多少踏み跡が濃くなり、少々歩きやすくなった。
植林地帯を抜け二次林の森に入ると踏み跡がかなり薄くなる。山頂直前は尾根が広がってわかりにくくなる。
この山域特有の「ヨコネ」と書いた赤い標識を目印に進む。ここまで登れば林業の赤テープではないと推察でき、信ぴょう性が出てくる。
ヨコネ最高点は眺望はない。少し小高くなった山頂でしばし休憩した。
ヨコネ最高点から東ヨコネ 1時間
ヨコネ最高点からヨコネに向かう縦走路には大君ケ畑への林道の分岐がある。少々迷いそうになるが、黄色い看板に従う。
ヨコネ最高点からすぐに細い尾根につたって急な下りが始まる。高度感もあり、少々スリリングな下りになった。
ヨコネ最高点からヨコネへの間は岩が剥き出しになった痩尾根が続く。痩尾根には貧しい土壌でも成長することができる赤松が生き生きと伸びていた。
今回の登山で一番険しかったのはヨコネ最高点からヨコネの間だった。そこを突破してしばらく気持ちのよい縦走路を歩くとヨコネに到達する。眺望はない
ヨコネから東ヨコネに進む道で次に進む山々が見えてきた。左奥が烏帽子岳、中央やや左がダイラの頭、中央やや右が三国岳(2つあるピークの左)である。ここからは烏帽子岳はまだまだ遠い。
登山者は多くはないようで、登山道は柔らかい土に覆われていた。ふかふかとした土の上を歩くのは気持ちがよかった。ふかふかとした土と岩尾根のゴツゴツした感触を交互に楽しめるよい尾根道であると思う。
進んでいくと東ヨコネに到達した。若干眺望がある他に特筆すべき点はない。あまり立ち止まらずに進んでいく。
簡単な縦走路を予想して入ったが、ヨコネはなかなか歩き応えのあるおもしろいルートでオススメできる。
東ヨコネからダイラの頭 1時間10分
東ヨコネからは県境尾根に合流する。県境尾根はスギ・ヒノキ林が植林されている地帯も多い。灌木が多く生えているので、若干藪漕ぎのようなところもある。
県境尾根に入れば登山道はもう少し歩きやすくなると思っていたが、期待していたほどではなかった。ダイラの頭の直前はなかなかの急登があった。
ダイラの頭に登頂した。山頂は緑に覆われていて眺望はないものの気持ちのよい空間だった。風が吹き抜け、葉音が聞こえる心地よさは、何度も経験しても飽き足らない。
しばし休憩をしたあとに、また三国岳に向けて歩みを進める。
ダイラの頭から三国岳 45分
ダイラの頭から下っていくと、鉄塔の下をくぐる。鉄塔のあるところは木々が切り払われていて、景色がよい。写真ではわかりにくいが、奥に琵琶湖、写真の中央あたりには比叡山も見える。
三国岳への途中に阿惣というポイントがあったので、登ってみることにした。細い尾根で注意しながら歩いた。
阿惣とはこの三等三角点の基準点名のことである。特に眺望はない。
阿惣から戻り、三国岳へ向かって進む。山頂の直前は急登だった。
途中見晴らしのよいところがあった。中央やや右に霊仙山、右奥に薄く見えるのは伊吹山、その手前はソノド、左の台形の山は鍋尻山、鍋尻山の手前はヨコネである。
三国岳山頂に到着した。眺望はない。ここから若干戻って烏帽子岳へと進んでいく。
三国岳から烏帽子岳 1時間40分ほど
三国岳から北へ少し下ったところに烏帽子岳への縦走路がある。ここの分岐を進んでいく。
最初はかなりの急な下りだった。気をつけて進んでいく。
そこを超えれば、多少のアップダウンはあるが平坦な道もあり、歩きやすい道が続いていた。
途中に鉄塔の下をくぐるところがあり、伊勢湾方面が見える景色がよい。
踏み跡もそこそこあり、看板もところどころにあるので、迷うことをあまり心配しなくてもよいかと思う。
しばらく歩くと烏帽子岳に到着した。あまり急登はなかった印象だった。
烏帽子岳から細野登山口 1時間35分
三重県側の木々が切り払われていて眺望がかなりよかった。烏帽子岳以降は登山道がしっかり整備されていて歩きやすい。
ただし烏帽子岳は山頂直下が急坂になっているので、そこは少々苦労を要した。
途中に上石津町の集落を眺めることができてよかった。登山道に来るときに通った集落は上から見るとこのように見えるのかと感心した。
最初の急な下りさえ過ぎればあとは楽なゆるめの下りである。木々の緑を楽しみながら下った。
あとは烏帽子岳の登山道に駐輪したバイクに乗って帰宅するだけである。
総括
毎度のことながら満足の山行だった。細野登山口から烏帽子岳への登山道以外は、踏み跡が薄く玄人向きの登山道だった。
基本的に眺望はないが、その分ところどころで眺望がひらけるところがあるので、そこで景色を眺めるのが楽しかった。また自分がどこまで歩いたかわかるので、それも楽しかった。
少々長いコースになるが、ほとんど人と出会うこともない静かなコースなのでこのようなコースが好きな方にオススメする。
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