イブネ・クラシ 杠葉尾登山口から登る

鈴鹿十座
イブネから雨乞岳を望む

鈴鹿の奥座敷といわれるイブネ・クラシに登ってきた。今回は「イブネへは杠葉尾登山口から登るのがツウ」とどこかで見たので、そのルートから登ってきた。また、イブネは鈴鹿10座の一角であり、その道中の銚子ヶ口も通るので、一気に2座登ることができ一石二鳥である。

長いコースなので、初心者が登ることはおすすめできない(そもそも初心者がイブネから登り始めるということはないと思うが)。鈴鹿山脈で初心者が登るのであれば、武平峠から御在所岳に登るコースが一番オススメできる。それについては別記事を作成する予定である。

この記事を参考にしてほしい方

・名前に興味があるけど、どうやって登ったらよいかわからない方
・このコースからイブネってどうなのという方
・鈴鹿で玄人好みコースを登りたい方

上記のような方に見ていただければと思う。もう少し簡単なコースについては甲津畑町方面からの登りについて以下の記事を参考にしてほしい。リンクは以下。

銚子ヶ口までのルートは前回の記事を参照。リンクは以下から。

登山コースについて

コースタイム

登りは杠葉尾登山口から銚子ヶ口まで2時間35分、銚子ヶ口からイブネまでは約2時間30分で登り合計5時間。下りはイブネから銚子ヶ口まで約2時間30分、銚子ヶ口から杠葉尾登山口まで1時間50分なので、下り合計4時間20分。登り下り合わせた合計は9時間20分という長丁場である

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成

長丁場なので、それ相応の体力が必要である。登山に慣れていることはもちろん、コースタイムどおりに歩くのであれば長時間歩ける体力が必要である。休憩を合わせると10時間を超えると思うので、できればコースタイムより短い時間で歩けるほうが好ましい。また、この行程を歩く場合は朝早く出発することは必須である。

標高差

杠葉尾登山口(350m)から、銚子ヶ口(標高1076m)を経て、イブネ(1160m)に到達するコースである。銚子ヶ口からイブネへの標高差でいうと約100m程度とそれほど大きく感じないが、いくつものピークを超える稜線上の道であるために登る(下る)標高はそれよりもかなり大きい。

銚子ヶ口~銚子まで

まず少し混乱するかもしれないが、銚子ヶ口と銚子は異なるピークである。イブネ付近の山頂はなだらかな山容であり、その中のピークの一角が銚子である。名前の由来については、わからないが銚子に向かう登山口だから銚子ヶ口なのかと考えてしまいたくなる。

今回は11月に登っているが、稜線上のブナなどが色づき非常に綺麗であった。鈴鹿山脈でよく見るような稜線上の樹種であり、この木々が鈴鹿の景色を形作っているのだと思う。この清々しい尾根道を歩くだけでもここを歩く価値があると思えるほど素晴らしい景色であった。

銚子ヶ口から銚子までの登山道はYAMAPの地図では破線になっており、注意箇所を示す「!」も3つほどついているので、不安を感じる方がいるかも知れない。実際に通った感じだと、通常の登山道と同様に注意して歩けば特に問題は無い感じであった。崩落箇所があったが、気をつけて歩けば問題はなく、登山道も一部を除いて明瞭であった。

登山道の踏み跡が不明瞭な部分もあるが、尾根はそれほど広くなく、そこから外れなければ道を見失うことはない。以下の大峠周辺は低木が勢いよく繁茂していて、登山道がよくわからなかった。道のようなものがあり、向かうべきピークも見えているので、進んでいればなんとかなる。またここが峠なので下るようようであれば、おかしいと判断することができる。

木々が繁茂して道が何が何だか分からない。

銚子を含めたイブネ・クラシの山頂周辺に出るまでに急登があるが、そこがしっかりとした道ではなく、滑りやすくなっていたので、注意は必要である。危険というよりも注意箇所といった感じで、気をつけて歩けば問題は無いと思う。初心者がこの登山道に足を踏み入れることは無いと思うが、初心者は控えた方が無難ではあると思う。

登りだけで進むのであれば、もう少し楽な道のように感じるが、帰りは稜線上のアップダウンも少し応える。下りまで十分な体力を温存できるように登山しよう。

イブネ周辺

イブネの山頂周辺は穏やかな山容を示しており、近隣のピークとしてクラシ、銚子を持っている。銚子ヶ口からのルートだと一番先に到達するのは銚子である。銚子から山頂周辺の穏やかな山容を見れば、ここまで来てよかったと思える。そのような景色が見れるだろう。

イブネとクラシの間の稜線を見る。穏やかな山容である。

イブネ山頂からは御在所岳や雨乞岳など鈴鹿の主稜線を間近に望むことができる。御在所岳に建つ建物をよく見えるほどの近さである。

またイブネの山頂は独特な苔に埋もれた景観が構成されている。この苔を見るためだけにイブネに登ることもオススメする。数十年前?は背丈を超えるほどの笹原が広がっていたそうであるが、何故か苔で覆われるように変わったそうである。

苔と木。木の左側が御在所岳、すぐ右側が鎌ヶ岳と鎌尾根。

原因の一つとして考えられているのは、鹿が食べたという説である。ヤマビルが広がっているもの鹿の個体数が増加したからという説がある。鹿の増加は一つの事実として存在するが、様々なところで自然環境の変化をもたらしているのもしれない。

クラシ山頂

イブネ手前の分岐を進んでいくとクラシの山頂に到達する。木々の中の山頂なので、特に何もない。クラシの山頂を踏みたいという方が行けばよいが、特に立ち寄って面白いというような山頂ではない。特段用事がなければ、スルーしてもと思う。

総括

杠葉尾登山口からのイブネまでの道のりは長いので、相応の体力がなければ辛い登山になってしまうだろう。それなり登山を重ねて自信がついたあたりで、試しにこのコースを試して見るのをオススメする。なので初心者が登ることはオススメできない。稜線上の道は非常に気持ちがいいのでオススメである。

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