能郷白山には主に2つのルートが存在する温見峠から登る短めのコースと能郷谷登山道の長めのコースがある。今回は能郷谷のルートを選択した。長い林道歩きから急登の尾根線、心地よい稜線歩きの吊尾根、そして山頂。よい塩梅で変化に富んだよい登山道であったと思う。
この山(コース)をオススメする人
今回は能郷谷コースを選択した。標高差1000mを超える登り応えのあるコースだ。このコースをオススメするのは次のような方。
・脱初心者!1000m以上の標高差の登山をしたい人
・今後日本アルプスに挑戦を考えている人
・長丁場のルートを乗り越えたい人
今後の登山を見据えての山として試金石になるような山かもしれない。もちろん今後を見据えなくても、単体でも素晴らしい山である。
どのような登山になるか
コースタイム
能郷谷登山口(標高380m)から能郷白山山頂(標高1617.4m)まで標高差約1200mを、4時間30分の道のりを登る。下りは3時間20分。合計7時間50分の道のり。
コースタイムに対してどれくらいの速さで歩けるかが重要になるが、休憩などを含めると合計9時間ほどを想定するとよい。後はコースタイムより早くなるか遅くなるかは、ご自身の体力次第である。
危険度・疲労度
完全に主観でこの指標をつけているが、一人の人間が登ってつけた指標として参考にしていただければ幸いである。
基準は体力度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★が最も安全)。この基準から体力度、危険度を導き出すと今回のコースは以下のとおりである。
危険度★★
コースタイムが7時間50分とそこそこ長いので、相応の体力が必要になる。また危険度についてだが、特に危険箇所はない。疲労が溜まってくると何も無いところで躓いたりするので、その点には注意が必要である。
駐車場
登山口までの林道は崩壊しているので、ゲートがあり車はそれ以降は侵入することはできない。道路脇に5~6台駐車スペースがある。それに追加して写真でいうと左側や道路脇にねじ込むこともできそうな余力はある。
十分な駐車スペースとは言えない。僕が行ったのは2020年10月の日曜日であったが、駐車スペースに空きがあった。それでも狭い駐車スペースなので、満車で停められない可能性があり注意が必要である。
林道終点の駐車場にGoogle Mapに地点登録されていなかったので、能郷白山神社を仮に掲載している。駐車場はさらに北へ進む必要がある。林道ゲートは現在Googleに地点登録申請中。
登山道の内容
今回は主要2ルートの内、長い方の能郷谷ルートを選択した。能郷谷登山道は林道、急登の尾根、吊尾根の3つのパートに分けられる。
長い林道
登山道の半分近くが林道歩きになる(1時間程度)。かつては登山口まで林道が続いていたようだが、土砂崩れの影響で途中にゲートがある。そこに車を停めることになる。
半分近くが林道といっても距離的な話なので、登る時間は勾配の急な登山道の方が必然的に長くなる。この林道はそこそこ傾斜があり、登山口まで300mほど標高をゲインして登りごたえがある。また途中で林道が崩壊しているところがあるので、人工物の儚さを感じる。
アスファルトの林道歩きを経験した登山者にはわかっていただけると思うが、林道はキツイ。冷静に考えると整地してあり、傾斜も少ない林道の方が歩きやすいはずであるが、登山道よりも林道の方がキツイ。そして帰りの林道が何よりもキツイ。
急登の尾根
林道が終わり、能郷谷登山口に到着する。今や林道ゲートが登山口のような気もするが、ここからが本番である。標高700mから1500mの前山まで標高差800mを一気に登る。ここで息を切らさないように淡々と自分のペースでゆっくり歩くことが帰りの激疲れ軽減につながる。
そうはいってもグイグイ登りたくなるのが人情である。帰りの疲れを考えずに割り切って、全力で登りまくるのも一興であろう。ところどころ景色が開けているので、後ろを振り返って景色を見ながら休憩しよう。
心地よい吊尾根
急登の尾根を越えて前山に到達すれば、後は心地よい吊尾根歩きの時間である。根性で地獄の急登を乗り越えれば、ここは天国と考えても良い。永遠に続いてほしいと感じるような歩きやすく、楽しい登山道が続く。ここがこの登山の目玉といって良いだろう。
今回はガスの写真になってしまったが、ぜひご自身で美しさを確認してほしい。
山頂
山頂は眺望がよいらしい。僕が行ったときは思い切りよくガスだったので、見ることができなかったが景色はかなりよいらしい。この景色についてはぜひ自身で獲得してほしい。
また山頂手前の分岐で能郷白山神社の奥宮があるので、そちらも忘れずに参拝しておきたい。
その他の名所
能郷白山神社
駐車場への道のりの途中に能郷白山神社が存在する。山頂に奥宮があり、かつてはそちらが本宮であったが、現在は麓のこちらが本宮のようである。
毎年4月13日の例祭で能郷の能・狂言が行われるようで、国指定の重要無形民俗文化財に指定されている。
うすずみ温泉四季彩館
岐阜・名古屋方面に帰宅する人であれば通ると思うが、国道157号線沿いに温泉がある。こちらの温泉は能郷白山の山頂の写真を提示すれば、割引が適用されるようである(要確認)。Web上に詳細な情報はないので、現在も継続しているかはわからないが、僕が行ったときは適用された。
山から温泉という完璧な導線が敷かれているので、こちらもオススメする。
総括
山に登ると満足感しか得られてない人間であり、今回も充実したよい登山であった。標高差1000mを超える登山の経験は登山の幅を広げることになるだろう。
また鈴鹿山脈を主戦場とする僕にとって違う山域の山は新鮮な感覚を得ることができる。その点でも充実した参考であったと思う。また個人的には草の密度が高いことが目についた。鈴鹿山脈とは鹿の生息密度が異なるからなのか?
以下今回の行程。
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