甲津畑からカクレグラを経てタイジョウヘ

鈴鹿その他

今回は甲津畑の登山口からカクレグラを経由してタイジョウへと向かった。カクレグラへは甲津畑の登山口から尾根線を一気に登る。

急なところもあり、登りやすいとは言えない。その後も踏み跡は薄く歩きにくいところも多いが、歩きやすい平坦なところもあり、緑におおわれた稜線歩きを十分に楽しめた。

誰にオススメする山か

今回のコースは急登、登山道不明瞭、眺望なしと3拍子揃ったコースである。そのようなコースが好きな人であれば、楽しめるコースになる。

・急登が好きな人
・登山道が分かりにくい方が好きな人
・眺望がなくても楽しめる人

登った先が眺望なしとなると達成感が薄いので、初心者を連れて登るには不向きな山になる。眺望は全くないわけではないので、所々で楽しめることは楽しめる。それで十分むしろ、それがよいという人が登るとよいだろう。

雰囲気は典型的な鈴鹿の稜線歩きの雰囲気を楽しめる。

駐車場

岩魚の里 永源寺グリーンランドとの分岐から東に1kmほど進んだところにある。

岩魚の里 永源寺グリーンランドは目安でその先の橋の手前が駐車場になる。

2022年6月5日11時の状態。路上駐車のような感じになっている。

登山口には登山届を出す箱や駐車禁止の看板がたっているのでわかりやすい。その周辺に車は駐車するしかない。登山口から少々奥に駐車できるスペースがあるが、それほど広くはないので、路上駐車という形になるだろう。

登山コース・コースタイム

今回は甲津畑登山口→カクレグラ→タイジョウ→アケビ谷を経て甲津畑登山口に戻る周回ルートを辿った。カクレグラとタイジョウの鞍部から始まる谷はアケビ谷と呼ばれるらしい。

甲津畑登山口からカクレグラ・タイジョウへ / ずんやまさんのカクレグラの活動データ | YAMAP / ヤマップ

標高差

標高差はおおよそ600mほどを登る。甘く見ているとなかなか長い登りである。特に登山口からカクレグラまでは息をつかせぬ急登である。

登山口(標高420m)→カクレグラ(標高990.3m)→タイジョウ(標高1061m)

今回の最高点はタイジョウである。カクレグラからタイジョウは一度鞍部に下りてから急坂を登るコースになる。

疲労度・危険度

毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。

疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。

疲労度★★
危険度★★

疲労感についてはコースタイムは6時間を超えるので、慣れていないとかなりの疲労になるだろう。山に慣れていれば、特に問題なく集会できるコースである。

危険度については基本的に尾根歩きが中心になり、痩せ尾根になっているところはほどんどない。ときどき尾根の横でがけ崩れが見えるが、近くを通過する必要はない。

タイジョウの手前で登山道がわかりにくいところがあるので、注意は必要である。

登山コース

合計のコースタイムは6時間15分である。

甲津畑登山口→カクレグラ コースタイム2時間

最初は舗装された林道を進む。車両通行止めになっているので車は基本的に通らない。登山口を目指して進んでいく。

林道を進んでいくと草に覆われた中に階段があるので、それを登っていく。登っていくと背面に倒れそうで少々心配な傾きがあるが、頑丈そうな作りで大丈夫そうではあった。

神々しい写真になった。

序盤の尾根に取り付くまでは谷筋のように少々削れたところを登る。急登なわりにまっすぐ踏み跡がついているように見えるので、ただ単に急坂を登る。

途中粘土質のところもあるので滑りやすく、歩きにくいので注意が必要である。粘土質は落ち葉によって隠されている。

カクレグラまでで一番の難関はここかも。

最初からこれほど登りにくいととは先が思いやられると思っていたが、すぐに尾根筋について歩きやすい道に変わる。歩きやすくなったとはいえ、急登なのは変わらないので最初からキツイ。

尾根線に出る。

魚みたいな岩を超えて、どんどん標高をかせいでいく。

スズキ目の魚の口元みたいに見えないだろうか。

途中に綿向山と東に伸びる尾根が見える。左のピークはイハイガ岳

灌木が多く歩きにくいところもあるが、視界に占める緑の領域が多くなり目に優しい。

尾根を登りつめ、山頂付近になるとかなり穏やかな道になる。

カクレグラ山頂に到着。眺望はない。少し空いた隙間からイブネタイジョウ雨乞岳が見えないこともない。

またカクレグラの山頂には二等三角点がある。基準点名は「佐目村」である。

カクレグラ→タイジョウ コースタイム1時間40分

カクレグラから少々登山道を戻るとタイジョウへの分岐がある。小さく分かりづらいので見逃さないようにしたい。

タイジョウへの稜線では風が通り抜けるのが気持ちよい。所々灌木が登山道を邪魔しているので、藪漕ぎみたいな様子を呈する。全てではなくごく一部なので、常に藪漕ぎし続ける必要はない

基本的には歩きやすい道が続くが、それほど整備された登山道ではないので、木々の下をくぐったりすることもある。

稜線上は少々広いところがあるので、登山道を見失いがちである。さらに踏み跡が薄いので、登山道がどこにあるのかわからないことがある。

地図をよく確認しながら進むことをオススメする。基本的には道を間違えたら灌木が繁茂しているので、間違えたと分かるだろうとは思うが、十分に注意されたい。

たまに眺望が現れるところもある。真ん中のピークは大峠の頭、真ん中やや左が水舟の峰である。ここからは見えなかったが、左(北)には銚子ヶ口、右(南)にはイブネがある。

タイジョウ直前は急登になり、山頂直前には岩場がある。この岩場は左(北)の尾根にトラバースする登山道がおそらくあるはずだが、僕は見失なった。

そのまま岩の右脇から登ったが、人間が安全に登れる斜度ではなかったので、できるだけ右からは登らないようにしたい。

タイジョウ山頂はしっかりとした看板がなかった。「ここはタイジョウです」と書かれた看板は地面に落ちていた。

山頂に眺望は特にない。虫が大量に飛んでいたが、特に人間に害を及ぼすタイプではなかった。

レスキューポイントがタイジョウ山頂の証。

余談だが登山中に、蜂の羽音が男性の話声に聞こえたりする。人が来ているのかな? と思ったら蜂の羽音なのは少なかれずある。特に静かな、人のいない登山道を歩いているとよくある。

タイジョウ→アケビ谷→甲津畑登山口2時間35分

タイジョウから少々戻り911mピークとの鞍部からアケビ谷を下りる。谷の名前はおそらくアケビ谷であっているはず。

アケビ谷はかなり急で、登山道は斜度に適応したようにはできていない。ただそのまま斜面を下るように踏み跡がついている。

アケビ谷を振り返る。

落ち葉に埋もれている登山道を辿っていく。ところどころ粘土質で滑りやすいところがあるので注意が必要になる。

毎度のごとく写真では傾斜は伝わらない。

斜度のキツイ道は標高にして150m下りると終了して、後は沢沿いの涼しい緩やかな下りを歩いていくだけの道になる。

最初の急な坂だけ乗り越えてしまえば、イージーモードである。ただし道は分かり易いわけではないので、道迷いには引き続き注意が必要になる。

渡渉箇所があるが、わかりにくい。

下っていくと千種街道に合流する。ここからはベリーイージーモードである。散歩と何ら変わらない。

千種街道は歩きやすいがなかなか長い。通るたびに長いことに気づかされる。

杉谷善住坊のかくれ岩が登山口へ戻る道にある。カクレグラはこの岩のすぐ上のピークなので、名前の由来はここだったりするのかと思うが、想像の域を出ない。

杉谷善住坊のかくれ岩の付近に昼寝に最適な岩がある。川のせせらぎの音を聞きながら寝るのは間違いなく最高

そこそこ水量のある川でしばらく眺めてから登山口に向かった。

総括

普通に考えて次の山どこ行くと聞かれて、カクレグラに行くとはならないだろう。それでもカクレグラは選んだ人を歓迎してくれる山である。

急登の続く静かな尾根を進むのはコアな鈴鹿ファンであれば満足できる。逆に鈴鹿初心者には全くオススメできない。鈴鹿の奥ゆかしさを感じられる胆力のある方に登ることをオススメする。

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