前回、杠葉尾登山口からの登山ルートを紹介したが、前回のルートは玄人向けだったので、今回はイブネに向かう一般的なルートの一つ(甲津畑登山口から)を紹介しようと思う。一般的といっても距離はそれなりにあるので、初心者にはオススメできない。
どんな人にオススメの記事か
次のような人にオススメする。
・初めてイブネに登りたい。
・イブネってどんな山か知りたい。
・鈴鹿で次に登る山を探している方。
上記のような人に読んでいただければ、参考になるのではないかと思う。
甲津畑からはどのような登山道か
甲津畑登山口からのルートは穏やかで歩きやすい登山道で非常にオススメできる。イブネ直前と杉峠周辺に急な登りがあるので、そこだけ頑張る必要はある。
また、コースタイム的には休憩含めると8時間を越えてくる。穏やかではあるが、それなりに距離は歩くので時間と体力面で準備をする必要がある。
長丁場になる点に気をつければ、イブネに登るなら誰にでもオススメできる表参道的な登山道になるのではないかと思う。ただし登山に慣れてきた人であれば、という条件はつく。
またシデ並木が美しいので、その木々を眺めるだけでも歩く価値のある登山道であると思う。
今回の山行ではかなりガスまみれだったので、木々と空の青さが美しく映えた写真を紹介することはできないが、実際に晴れた日に行けば相当美しい木々を木漏れ日の中から眺めることができるはずである。
別日(2020年11月3日)に登ったイブネの写真を参考までに紹介する。
山頂が苔に覆われている不思議な景色が広がる。
駐車場とアクセス
駐車場
甲津畑の集落の脇を進み「岩魚の里 永源寺グリーンランド」への分岐を右に1kmほど進んだ先に駐車場がある。駐車場というより、道が若干広がっている感じである。
登山口があるが、駐車する際には一旦通り過ぎる。駐車場より奥の橋は進入禁止なので、何も考えずに進んでいけばよい。
この看板が登山口にあるので見逃すことはないであろう。
Google Mapは「岩魚の里 永源寺グリーンランド」を参考までに載せる。駐車場はそれよりも先にある。
駐車場までのアクセス
基本的に永源寺グリーンランドを目指せばよい。甲津畑の集落に入る手前に永源寺グリーンランドの看板があるので、それに従い左折する。その後も看板に従って進んでいく。
永源寺グリーンランドへは左から降りていくが、甲津畑の登山口は道なりに進んだ先にある。
どのルートで登るか
今回は滋賀県の甲津畑登山口からイブネ・クラシを目指すルートを歩く。この道は三重県菰野町の千草(千種)に通じるの千種街道という。古から名前のついた由緒ある道である。
YAMAPのコースタイム登り3時間50分、クラシまで行くとプラス20分で4時間10分。下りは3時間20分、クラシから下ると3時間40分である。イブネをゴールとすると合計7時間10分の行程になるので初心者の方には、なかなかオススメはできない。
鈴鹿セブンマウンテンなどを登って慣れてきた人が登ると楽しめるような登山道になっていると思う。
YAMAPのログはこちらから。
御在所岳(御在所山)・雨乞岳-2019-04-27 / ずんやまさんのクラシの活動データ | YAMAP / ヤマップ
標高差
登山口の標高は500mほど、山頂のイブネは1160m。おおよそ650mを登る。登った感想としては水平の移動距離が長く、ゆったり標高を上げていくタイプの登山道だった。
なのでそれほど登りのキツさは感じなかった。そうはいってもひと頑張り必要なところがあり、杉峠付近の登りとイブネ直前の登りはそこそこキツい。そこだけ乗り切れば、あとは快適な爽快山歩きである。
疲労度・危険度
今回からは主観で登山難易度をつける。体力度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★が最も安全)。上記の体力度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。
・危険度: ★★
体力の消耗については昼ごはんを挟んで前後に3~4時間歩く、日帰りの標準的な疲労度ではないかと思う。
危険度についてはそれほど危険ではないが、谷沿いなど気をつけないと命に関わるところはあるので、注意しようという感じである。普通に歩く分には安全性については特に問題のないコースと言える。
別ルートとして
甲津畑登山口以外であれば、以下の主に4ルートがある。他にもルートは無数にあると思うので好きなコースで登ってほしい。
・武平峠から
・御在所岳から
・朝明渓谷から
・杠葉尾町から
武平峠から
武平峠の駐車場に駐車して登る。こちらは登り3時間40分、下り3時間20分となる。このコースの最高地点が雨乞岳の1237mになり、1042mの杉峠まで下ってからイブネの1160mまで再び登り返すことになる。雨乞岳にも登りたい方はこのコースは良いかもしれない。
御在所岳から
ロープウェイで御在所岳に登ってからイブネを目指す。登り4時間、下り3時間30分のコースである。高いところから少し下って、また登るというコースである。
朝明渓谷から
朝明渓谷の駐車場から登る中峠を経て、クラシからイブネに向かうコースである。登りは4時間30分、下りが3時間45分のコースである。参考までに僕の山行記録を紹介する。ハライドにも立ち寄るコースで登った。
杠葉尾町から
北の方から南に向かって、鈴鹿十座の銚子ヶ口も経由するルートである。銚子ヶ口以降は不明瞭なところもある、中級者以上向けのコースである。登り5時間、下り4時間20分の長丁場である。こちらも僕の山行記録を紹介する。
上記の4ルートがあるが、どのコースも登りだけで4時間前後かかるので、お手軽とは言い難い道のりである。それゆえに奥座敷と呼ばれるのだろう。中でも甲津畑からのルートはその中でもイージーな部類になるだろう。
登山記録
大木
「シデ並木」という看板がたっている付近以降にところどころに大木がある。大木を眺めながらの登山はよい。中でも最も大きい木がこれ。すでに枯れているのか、生命力は感じられないが、巨大な生物が存在していたことに畏敬の念を感じずにはいられない。
杉峠
杉峠というと立派な杉の木が生えているのかと思うが、途中に大きな杉は発見できたが、ここには見る影もない。ガスの中に見える立ち枯れの木が哀愁を漂わせているだけである。ただ、それもそれで風情があって良い。
ガスの日の登山
この日はガスで眺望がゼロであり、雨も降っていた。雨がしとしとと降る中をひたすら登るというストイックな感じの登山も心地よさを感じる。興味があればぜひ雨の中でも登山をオススメする。興味がなくても登山を続けていると雨に合うことは多々あるだろう。
この日は4月末であったが、山頂では雨からあられに変わりかなり寒かった。やはり山では防寒対策が重要であることを思い知らされた。
穏やかな登山道
渋川沿いは登り下りの激しくない穏やかな登山道が続く。登るとガスが出て、下ると晴れるのようなマーフィーの法則が僕の中にはあるが、今回はその法則が当てはまってしまった。しかし、広葉樹林の木漏れ日は美しいので何回見ても飽きることはない。
総括
今回は2019年4月末に登っているが、ガスが出ていて視界はほとんどなかった。しかしそのような登山でも幻想的、神秘的な雰囲気が味わえるので捨てたものではない。でも晴れた日にも登りたいと思うのが人情だろう。
総合的にイブネの登山ルートの標準として非常におすすめできるコースであったと思う。
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