濃尾平野の南西に位置する多度山(標高402.8m)。麓には多度大社があり信仰を思わせる山である。
舗装路で登れるので、安心安全の登山道で散歩の延長線上でカンタンに登れる。山頂からの景色も素晴らしい。最初登山として登り、この山がキツイのであれば、日々の運動から増やすところから体力づくりをしたい。
ここがラクに登れれば、別の山にステップアップしていくと、さらに山を楽しめる道が開ける。
登山者の多さ | 多い |
駐車場 | あり |
お手洗の有無 | あり |
コンビニ | なし (食料などは事前購入が必要) |
温泉 | 神馬の湯(駐車場から1.7km) |
どんな人にオススメする山か
舗装路で山頂まで登ることができる。石や岩、木の根っこ、急斜面など変化の多い通常の登山道ではなく、舗装路なので全くの初心者であっても安心して登ることができる。
・初めて山に登る方
・散歩の延長線上で登りたい方
・本格的な登山道は心配な方
ただし、多少体力に自信があれば、そのまま登って下りるだけでは物足りない山になるだろう。北西へと続く縦走路があるので、体力と時間の都合で歩く距離を決めれば良いと思う。
また初心者と同行する場合、勾配のゆるい登山道なので力量差が出にくい。体力に差がある組み合わせでもストレスなく登ることができる。
駐車場
駐車場は多度山ポケットパークがある。数十台駐車することが可能である。
今回は11時前に到着して、すでに満車であった。だからといって駐車できないわけではなく、多少の車の入れ替わりがある。出ていく車を少々待てば、駐車できるというような感覚である。
駐車場にはお手洗いもあり、態勢を整えてから登山を開始しよう。
登山コース・コースタイム
以下はYAMAPの記録。駐車場で記録の開始を押し忘れて、途中からの開始になっている。
多度山周回2022/1/9 / ずんやまさんの多度山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
コースは複数あるが、今回は最もカンタンなルートである眺望満喫コース(舗装路)で登頂した。多くの人がハイキングを楽しんでいた。冬ということもあるのか、きちんとした登山の格好で登っている人が多い印象を受けた。
眺望満喫コースで登って下るのであれば、特に登山用の装備はいらずに、動きやすい服装と靴で問題はないと思う。きちんとした装備をする必要は全くないので、身構えずに気軽に登ってほしい。
下りは多度大社の西側に出るルートを使用した。こちらを使用する人はあまり多くはなかった。普通の登山道(舗装路ではないという意味)なので、ここを通る場合は舗装路を歩くよりは登山向けの格好をしたほうがよいと思う。
夜に登れば夜景がきれいなので、ナイトハイクもオススメである。参考まで以下のナイトハイクの記事をどうぞ。
疲労度・危険度
毎回、独断と偏見で疲労度と危険度を評価している。
疲労度★~★★★★★(★1個が最も楽)、危険度★~★★★★★(★1個が最も安全)。上記の疲労度、危険度からすると今回のコースは以下のとおりである。
疲労度★
危険度★
疲労度も危険度も一番カンタンなレベルであると思う。全くの初心者から登山というよりはハイキングを楽しむことができる。
ハイキングと登山の厳密な違いについてはわからないが、ハイキングは登山よりも気軽なものというニュアンスで使われることが多い。
コースタイム
眺望満喫コース
登り:1時間5分
下り:50分
※コースタイムはあくまでも目安である。
多度山ポケットパークの駐車場から山頂までは眺望満喫コースで登り下りした場合は、休憩を除けば2時間ほどのタイムになる。
休憩を含めると、長めに考えて3時間ほどの行程を予定すれば良いと思う。
ちなみに筆者が使用したコースで下る場合は、1時間30分ほどのコースである。
標高差
多度山ポケットパーク(標高70m)
↓
多度山山頂(標高402.8m)
標高差は約330m。数字だけ見てもよくわからないと思うが、多くの人は300m登るのにおおよそ1時間前後かかるのではないかと思う。
そしてこの300mという数値は、他の山の計画をたてるときに活かすことができる。
例えば、麓から登れば標高差が1000m前後の鈴鹿の山であれば、だいたい多度山3回分が目安になってくると思う。
「今日は多度山を3回分だから3時間位で登頂できそうだな~」というような感じでおおまかな時間感覚をつかむことができる。
ただし、今回の多度山の舗装路のコースは、ゆるやかで登りやすく、適切なペース配分がしやすいので、他の山で標高差300mを登るよりはカンタンに登れると思う。
他の山の基準に使う際には基本的には時間を余分に足して、時間を長めに見積もって計画をたててほしい。
また当然、注意点としては傾斜がゆるい山であれば、同じ標高を獲得する際にも長く歩く必要がある。一概に同じ時間で同じ標高を登れるとは言えないが、一つの目安として便利である。
登山コース
駐車場→山頂 コースタイム65分( 眺望満喫コース )
駐車場には看板があるのでよく分かる。見逃すことはないだろう。ここから舗装路を登っていくと登山道を見つけることができる。
登っていくと右側に登山道がある。登山道といっても舗装された道で安定した道を歩くので、サクサク歩いていくことができる。
通常の登山であれば、変化に富んだ地表面を感じながら歩くのだが、今回はそこは一定の感触が戻ってくる舗装路である。
とはいえ、樹種は豊富なので気軽に森林浴が楽しめる道として優秀である。
登山道というよりは林道といった感じの道をひたすら進む。ところどころ、休憩用の椅子があり、のんびり思い思いのペースで登ることができる。
山頂は昭和感あふれる味わい深いカラーリングの「多度山上公園」と書かれたアーチがある。とてもよい雰囲気である。味わい深い……!
山頂からは濃尾平野を一望できる。名古屋のビル群がよく見る。また、今回見ることができなかったが、よく透き通った空気の日には御嶽山や日本アルプスが見えるはずである。
二等三角点。三角点の周りは丁寧に石で囲まれていた。
山頂までは舗装路で全く危険箇所がなく、サクッと登ることができた。ただし、標高差にしては長い距離を歩く必要がある。
山頂から下山 コースタイム1時間30分
山頂から主稜線沿いを少々進み、多度大社西側の尾根線に続く道を選択した。こちらは舗装路ではなく、通常の登山道であるが、ゆるやか下りで登山道としては比較的歩きやすい道であると思う。
一部、岩が露出して滑りやすくなっているところがあるので慎重に歩く必要がある。登山に慣れていれば特に問題のない道であるが、なれていない方はゆっくり、丁寧に進むことをオススメする。
登山道の起点は柵で閉鎖されている。施錠はされていないので、すぐに開けることができる。開けたら閉めるようにしよう。
こちらのコースから下山した場合は駐車場に戻るまでに多度大社があるので、せっかくなので立ち寄りたい。駐車場までは20分程度歩く必要がある。
個人的には多度大社前駐車場の横のかりんとう饅頭がオススメである。
総括
多度山は全く山に登ったことのない人が初めての登る山として非常におすすめできる山である。舗装路で歩きやすく、危険箇所もないので安心して登ることができる。そして山頂からの眺望が素晴らしく、達成感を味わうことができる。
通常の登山道では足元に十分気をつけて歩く必要がある。同じ時間を舗装路で歩く場合よりも格段に神経をすり減らすことになる。故に初心者は歩きやすい道を短い時間から歩くことをオススメする。
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